Topics
最新情報
2024年度 JICA草の根技術協力事業(パートナー型)に「ウズベキスタンにおける甘草の持続可能な栽培と加工技術導入による地域産業振興プロジェクト」が採択されました
2025年6月2日
「ウズベキスタン国 甘草の栽培・加工技術導入を通じた地域産業振興プロジェクト」が、独立行政法人国際協力機構(JICA)2024年度「草の根技術協力事業(パートナー型)」に採択されました。
本事業は、ウズベキスタン共和国カシュカダリア州ヤッカバグ地区において、薬用植物「甘草(カンゾウ)」の持続的な栽培・加工技術を導入し、地域に定着させることで地域住民の所得向上を目指す3年間(2025年から2028年まで)の国際協力プロジェクトです。
本事業には、薬ゼミ情報教育センター、北里大学薬学部(生薬学教室、薬用植物園)、株式会社 片平エンジニアリング・インターナショナル、日本開発サービス株式会社が参画し、現地カウンターパートである薬用植物栽培・加工研究生産センターをはじめ、環境省、林野庁、地域農家、農業大学などとの連携のもと進められます。
対象地域であるカシュカダリア州ヤッカバグ地区は、降水量が少ない乾燥地域であり、綿花・穀物・野菜といった水を多く必要とする従来の主要作物が慢性的な水不足や塩害の影響を強く受けています。近年では劣化農地の拡大が懸念されており、これらの作物による安定した収入を得ることが難しくなってきています。
同地域では、一般的な農作物よりも少ない水で栽培可能できる甘草が古くから自生しているものの、その価値や栽培・加工の具体的な技術が現地住民に知られておらず、天然資源の甘草を有効に栽培・利用することで現地の特産品となるポテンシャルがあります。
こういった背景から本事業では、甘草の優良株の選定、育苗・定植から収穫・品質評価・加工・商品化に至るまでの技術移転を段階的に実施し、地域住民の生計向上と地域産業の基盤強化を図ります。
本事業で得られる知見や成果は、将来的に日本国内における生薬原料の安定供給や調達先の多様化にも寄与する可能性があり、近年課題とされる中国など海外への過度な依存構造の緩和にもつながることが期待されます。
薬ゼミ情報教育センターは、今後もJICAをはじめとする国内外の関係機関と連携し、医療・教育・福祉の分野での専門性を活かしながら、国際協力活動に取り組み社会課題の解決に貢献してまいります。
【関連リンク】
北里大学薬学部・大学院薬学研究科 生薬学教室
北里大学 薬用植物園
株式会社 片平エンジニアリング・インターナショナル
日本開発サービス 株式会社